ある朝の出来事
毎日朝がやってくるのは当たり前のことですが、
朝が来たという事と、朝を感じることと違うんだと思えた。
朝を感じた瞬間、ある種の感動がありました。
朝が来たから、今日も1日が始まる、と思っているだけではありません。
朝を感じることで、自分自身が目覚めていることが実感できたのです。
若い頃、山登りをしていたときに地面が近づいてきたことがありました。
地面が近づいたのでなく自分が倒れていたのです。
朝を感じた瞬間も同じ感覚を味わいました。
朝が来たのではなく、私自身が朝の中に入り込んでいったのです。
朝と自分が一体になる感覚は、まるで夢の中にいるかのようでした。
その感覚を文章にするのはちょっと難しいのですが・・・
そして、その瞬間に私は思いました。
人生とは、同じことを繰り返してる平凡なものではなく、朝という現象と自分自身が一体になることなのだと。
その瞬間の中に人生があると感じることができたのです。
人生には喜びも苦しみも悲しみもありますが、今というこの瞬間に生きることができるなら、それだけで幸せなのかもしれません。
朝を感じる瞬間、自分と朝とが一つになる瞬間は、決して日常的なものではありません。
しかし、そんな瞬間こそが人生の輝きを感じることができる瞬間なのかもしれません。
人生には何度も何度も、挑戦や困難が訪れます。
でも、朝のように自分と一体となって生きることができれば、どんな苦難も乗り越えられるかもしれないと思えた。
この瞬間を大切に、そしてこの瞬間の中に溶け込み自分と一体になることが、
人生を豊かに生きることではないかと妙に納得した。
その日の朝はいつもの朝ではなく、私の人生そのものだったのです。