社会は国家間、会社間、地域社会、個人間のネットワーク化が進めば進むほど、あらゆる組織の階層はフラット化しボーダレスになり「場」で動くようになります。
社会も今や人工的(機械的)な組織から有機システム(生物系)に移行しています。
組織(国、会社、地域、家庭)とは、人間の集合体です。
別の言い方をすれば、意識の集合体です。
意識は「コミュニケーション」で成り立っています。
お互いの意識は共振、共鳴しながら、たえず変化しています。
その場所(物理的な場所と心理的な場所)を「意識場」と私は呼んでいます。
人間の生体を組織に例えると、神経系の情報交換で成り立っていますね。
同じように「意識場」の情報交換は「コミュニケーション」です。
この「コミュニケーション」のあり方が、組織を活性化したり不活性にしたりします。
生体の情報を統合しているのが「脳」です。
組織には必ずリーダが存在します。
今までの機械的(縦型組織)な組織から、生物的(横型組織)に移行したときのリーダシップの取り方は全く違ってきます。
その研究のモデルは生物系です。
コミュニティの生物系モデルは粘菌です。
粘菌は変化に柔軟に適応しながら生きている不思議な生き物です。
これからの組織は生物(有機システム)のような神経系(情報系)のダイナミックな動きの中でたえず変化に対応できるように進化していくでしょう。
そのときの、リーダとはどんな存在で何をしているのか?
それは従来のような個人個人の人間を管理したり、モチベーションを上げたりするようなものではありません。
組織全体の「関係性」の動きを洞察して、「場」の動きを調整する役割に徹しなければなりません。
従来のように、指示命令によって人を動かすリーダシップでは決してありません。
とても高度な手法が必要です。
誤解を恐れて表現するならば、これからのリーダは「何もしないリーダシップ」です。
だから端から見れば、リーダは一見、何もしていないように見えます。
ところが何もしなくても組織が活性化している隠れた「主」です。
その人がいなくなれば瞬間に組織は崩壊するという存在です。
いわゆる「場」をコントロールする「専門家」、それが未来のリーダです。
ヘンリー・ミラーはこのように言っています。
「本当のリーダーは人をリードする必要はない、ただ道を示すだけで良い」と。